Serroteの商品についてはこちら

Serrote のメーカーはカップルである、Nuno Neves(ヌヌ・ネベスさん)とSusana Vilela(スザナ・ビエラさん)。二人ともリスボン市内のファインアート学校を卒業していて、なんとも素敵なノートブックをデザイン、製作、販売しています。

彼らのノートは始めて見たときからとても惹かれるものがあって好きでした。でも、閉業寸前の小さな印刷屋さんと共同作業で古い活版印刷方法で作られていると知ってからは彼らのデザイン、商品がもっと好きになりました。

この古い印刷機械は彼らが2年ほど前に購入したもので、 40年代に作られたHeidelberg Windmill というドイツ製のものです。


この活版印刷機は今でも世界で一番印刷スピードが速く、1分間に60ページを印刷することができます。

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"Serrote" (セロット)はノコギリという意味。始めて聞いたときはイマイチ理解できなかったけれど、話を聞いてみるとあるポルトガルのことわざが関係していました。


​面白い話がたくさん聞けました。こちらが彼らのお話。

リスボン市内で彼らが望むプロジェクトを一緒に行ってくれる印刷屋さんを見つけるのは簡単ではなかったそうです。

NunoさんとSusanaさんは古来の活版印刷にこだわります。使用するプレスレターは全て古いもの。昔は請求書や受領書を印刷するのに使われていたそうです。​

このこだわった製造方法が彼らの商品の素晴らしいところ。製作に急がない、必要な時間をかけて彼らが満足するものを作り上げる。

出来上がりの良さは商品を手にしてみると良く分かります。


Serrote

グラフィックアーティスト / デザイナー & ペインター / ノート作り / 昔の活版印刷術 / 古い印刷屋とのコラボレーション 

FEP -NunoさんとSusanaさんの役割は何ですか?
Serrote -私たちは全ての商品の製作者であり、プロドゥーサーであり、全てを行います。

-はさみでもなく、チェインソーでもなく、どうして「ノコギリ」なんですか?
-チェインソーは強力だけれど私たちにとってはとても騒がしい道具。ポルトガルではこんなことわざがあります。「馬に乗ろうとして踏みつけられるよりも、ロバに乗ってゆっくり行ったほうが良い」。ノコギリは1本の木をボートに作り変えることが出来るし、椅子を作ることだってできる。時間はもっとかかるけれど出来上がりは最高のものができる。

-カレッジでは何を勉強しましたか?
-Nunoは絵を描くことを、Susana はデザインの勉強をしました。両方ともリスボン市内のファインアート学校を卒業しました。

-デザインのインスピレーションは何ですか?
-私たちのデザインはとても有名なポルトガル人のグラフィックデザイナーにとても影響されています。彼はツナ缶や歯磨き粉のパッケージ、石鹸、キャンドル、道路標識そしてお店の看板などもデザインした人です。私たちは彼のデザインを見ながら育ちました。それと、コミックやイラストもとても好きです。

-Serroteのプロジェクトの目標はありますか?
-今やっていることがとても楽しくて好きなので、それをいつまでも続けていけて、生活していけたら幸せです。

-印刷屋さんはどうやって見つけましたか?
-私たちが希望するノートを作ってくれるという印刷屋を見つけるのは大変な仕事でした。活版印刷をする場所は残り少なく、いろんな所を探しまわって、ようやく1件リスボン市内で「イエス」と言ってくれる印刷屋さんに出会えたのです。

-その印刷屋さんでは昔はどんなものを印刷していましたか?
-昔の請求書や会社のカード、その他にも小さなものを印刷していたようです。

-Serroteのノートを印刷したいと伝えたときにその印刷屋さんの反応はどんなものでしたか?
-彼らはこう私たちに言いました。「もっといいアイデアがある。君のデザインを印刷しよう、でもオフセットで印刷するぞ。その方が安いし見栄えもいい!」

-その印刷屋さんも閉業寸前だったのですか?
-私たちが彼らに出会ってから5年は営業していましたが、今は閉業してしまいました。

 -レタープレス印刷方法と活字のどんなところが好きですか?
- 多分、「タイムレス」という言葉が説明するのに一番いいかもしれません。私たちは古い活字を使用していますが、それらは昔から色んなプロジェクトで使われたものでこれからもずっと使えるものなんです。

-製作作業で一番好きな過程は何ですか?
-全ての過程がそれはそれは良いものです。古い印刷機を2年ほど前に購入し、それからは自分たちで印刷できるようになりました。活版印刷のプロジェクトはデザインの考案、印刷作業、折りたたむ作業、配送、そしてHP作りまで全て私たちの手によって作られます。最後の束ねる作業だけ少しお手伝いをお願いすることもあります。その中でもやはり一番やりがいのある仕事はデザインを考える時です。

-一番人気の商品はどちらですか?
-ベストセラーはテーブルクロスのノートです。表紙は活版印刷で作られたもので、中身のページはカフェやバーで使われる安い紙のテーブルクロスなんです。現在まで6種類の違うデザインのテーブルクロスノートブックを作りました。

-お二人は元々はどこ出身ですか?
-私たちは両方ともリスボン出身です。リスボンの好きなところは、建築、食べ物、そして川沿いや海沿いのビーチがすぐそこにあることです。

-ポルトガルのどんなところが好きですか?
-ポルトガルを訪れる観光客や外国人と同じようにこの暖かい太陽と海、そして昔から変わらない料理とワインがとても好きです。この国を北から南まで移動する旅路はとても良いものです。端から端まで行くのにはそんなに時間はかからないけれど、それぞれの地域で異なる壮大な風景、食事文化、そして天気や生活のあり方の違いを経験できます。

-仕事をしていないときは何をするのが好きですか?
-いつものように仕事をしている時と同じことをするようにしています。中国の孔子はこう言いました。「自分が好きな事を仕事にしなさい、そうすればあなたは人生の中の1日も働く必要はありません。」この言葉に倣えたらと思っているのです。

 -一番好きなポルトガル料理は何ですか?
-Nunoはお肉、ソーセージ、それと野菜とご飯が一緒に煮てあるポルトガルのシチューが好きです。 Susanaはイカのグリル焼きが好きです。